おいしくて信頼できる「京のブランド産品(京マーク)」
最終更新日:2021/02/24
京マークをご存知でしょうか。「京都」の文字に、京都の頭文字「K」を形どったデザインのマークです。マークの右側に描かれた3つの楕円は「農」「林」「水産」の豊かな実りを表し、3本のラインは「大地」「水」「太陽」を表現しています。このマークを付けることのできるのは、「京のブランド産品」として認定されたものだけ、まさに「おいしさと信頼の目印」です。 京野菜の優れもの「京のブランド産品」 京野菜とは名前の通り、京都で生産される野菜全般の総称です。平安京の時代から明治維新まで、京都には都が置かれ日本の中心として栄えていました。宮中に献上するため、京都近辺ではさまざまな野菜が作られます。 盆地特有の気候風土と肥沃な土壌、豊富な水を活かして育まれた京野菜は、年数を重ねて品種改良が進められてきました。その中でも今に伝わるのが「京の伝統野菜」です。残念ながら郡大根と東寺蕪の2品目は絶滅しましたが、現存するものが35品目あります。。また、京の伝統野菜に準じるものとして、鷹ヶ峰とうがらし、花菜、万願寺とうがらし(万願寺甘とう)の3品目があります。 京の伝統野菜とブランド産品の関係図 「京の伝統野菜」とは、次の5つの条件を満たすものです。 1)明治以前に導入されたもの 2)京都府内全域が対象 3)たけのこを含む 4)キノコ、シダを除く 5)栽培または保存されているもの及び絶滅した品種を含む この中に含まれるのは、必ずしも京都固有の品種ばかりではありません。例えば、京都特有の栽培方法をとる野菜、例えば堀川ごぼう、えびいも、京ウド、京ミョウガ、京たけのこなどです。 その中から、比較的量産が可能で、市場対応できる野菜が「京のブランド産品」として指定されました。これは、安心・安全と環境に配慮した「京都こだわり生産認証システム(※)」により生産された、京都産農林水産物の中から、品質・規格・生産地を厳選し、(公社)京のふるさと産品協会が認証したもの。具体的には、下記の条件を満たすものです。 1)イメージが京都らしい 2)1)以外のもので販売拡大を図る必要がある 3)次の要件を備えている ・出荷単位としての適正な量を確保 ・品質、規格を統一 ・他産地に対する優位性、独自性の要素がある ※京都こだわり生産認証システムの特徴 ・農薬・化学肥料の使用を減らした環境にやさしい農法(京都こだわり栽培指針) ・認証検査員による栽培状況と記帳のチェックを実施 ・情報の開示により生産者の顔が見える農産物 ・水産物については同等の検査を受けています。 「京のブランド産品」、30年の歴史 「京のブランド産品」の歴史は、今から約30年前に始まりました。その原点は、1988(平成元)年に京都府によってまとめられた「京都府内農林水産物のブランド確立に関する基本指針」にあります。この指針に基づき、高品質、高級品イメージのある京都産品を、東京の高級百貨店に売り出していきました。 1988(平成元)年度、「京のブランド産品」第一号認定となったのが、万願寺甘とうです。同年度には他に、みず菜、賀茂なす、伏見とうがらし、えびいも、丹波大納言小豆、新丹波黒がブランド認定されています。 その結果、2008(平成10)年頃には、全国で「京野菜ブーム」「伝統野菜ブーム」を巻き起こしました。 京のブランド産品認定品一覧 ■平成元年度 みず菜 賀茂なす 伏見とうがらし 万願寺甘とう えびいも 丹波大納言小豆 新丹波黒 ■平成2年度 九条ねぎ 花菜 京たけのこ 鹿ヶ谷かぼちゃ 堀川ごぼう 聖護院だいこん 丹波くり ■平成3年度 壬生菜 金時にんじん くわい ■平成5年度 やまのいも ■平成8年度 紫ずきん ■平成10年度 京山科なす ■平成11年度 京たんご梨 ■平成19年度 京こかぶ 聖護院かぶ ■平成20年度 丹後とり貝 ■平成23年度 京 夏ずきん 丹後ぐじ ■平成24年度 祝(酒米)・京の酒 ■平成26年度 京丹波大黒本しめじ ■平成27年度 京山科なす京漬物 京たんごメロン 「京のブランド産品」が支持される理由 「京のブランド産品」がスタートして、約30年になります。この間、京野菜が全国から注目され、支持され続けてきたのには、大きく3つの理由があります。 第1には、ブランド対策を基軸を明らかにして、ぶれなかったこと。具体的には、ブランド品目を認証し、ブランド産地と生産者を認証し(3年毎に見直します)、栽培方法を指定し、生産物の検査体制までを確立しています。このように定められた体制の中で生産された中でも「秀品」だけが、「京マーク」を付けて販売できるのです。これを支えているのが「京都こだわり農法」、有機質肥料などによる健康的な土づくりや輪作体系を基本とする京都の伝統的な栽培方法に、最新の技術を組み合わせたものです。 第2には、ブランド品の検査体制を整えて実践してきたこと。「京都こだわり生産認証検査員」が府内に配置され、品目ごとに指定された「京都こだわり農法」に基いて生産されたかどうかをチェックしています。検査総数は、毎年4000件を超えています。 第3には、ブランド産品のストーリー性や食文化を大事にしてきたことです。「京のブランド産品」のストーリー性を重視し、野菜の来歴や食文化の啓蒙に力を入れてきました。2006(平成18)年には、京野菜の伝道師として「京野菜マイスター」を認定し、その活動を支援しています。「京野菜マイスター」は、京野菜の生産、流通・販売、料理の各部門で合計21名います。さらに2007(平成19)年からは、京野菜の魅力を楽しく学び、知的好奇心を刺激する「京野菜検定」も実施しています。 公益社団法人京のふるさと産品協会は、こうした「京のブランド産品」の生産、販売拡大を支援しています。 ...