第2回(平成20年度)京野菜検定試験問題と解説

 

問題1から問題14は、正しいもの、最も適切なものを選ぶ問題です。

 1 次の写真の@〜Cから、「すぐき菜」を選んでください。

@   A
 
B   C
 

答:@

 Aはうぐいす菜  Bは辛味だいこん Cはこかぶ

 2 次の写真の@〜Cから、「伏見とうがらし」を選んでください。

@   A
 
B   C
 

答:A

 @は万願寺とうがらし  Bはピーマン  Cは田中とうがらし

 3 京野菜は、全国から優れた素質を持つ野菜が京の都に持ち込まれ、卓越した技術で京都の地に合うように改良され、京野菜として育ったと考えられています。
 次の(1)(2)の京野菜はどこから来たでしょうか。@〜Cから正しいものを選んでください。

  (1)聖護院かぶ

  @浪速の国   A丹波の国   B近江の堅田   C奥州津軽

 答:B

 享保年間に聖護院の篤農家が、近江国堅田地方から「近江かぶ」の種子を貰いうけて栽培したのが始まりとされている。

  (2)聖護院だいこん

  @尾張の国   A九州長崎    B丹波の国   C浪速の国

 答:@

 江戸時代も終わりに近い文政年間に、尾張の国から黒谷の金戒光明寺に2本の「だいこん」が奉納され、聖護院に住む篤農家がこの「だいこん」を貰い受けて栽培したのが、始まりとされている。

 4「金時にんじん」の特徴について記述した@〜Cから、最も適切なものを選んでください。

@名前のように金時豆と同じような色をしたにんじんをいう。

A香りは西洋にんじんより強く、柔らかく甘味がある。

B香りは西洋にんじんより弱いが、歯ごたえがあり、甘味がある。

C京料理に欠かせず、年中出回っている。

答:A

「西洋にんじん」に比べて香りがあり、肉質は柔らかい。

 5「みず菜」について記述した@〜Cから、最も適切なものを選んでください。

@低温の時期よりも高温の時期の方が株の張りが良く、収量が多い。

A「みず菜」と「ねぎ類」は相性が悪いため、施設栽培での輪作として「九条ねぎ」は避ける。

B「水入り菜」から名が転じたように、うね間に水を溜めて栽培する。

C「みず菜」は、「なたね」や「かぶ」と同じ仲間で、同じように黄色い花が咲く。

答:C

 同じアブラナ科の仲間で、学名もBrassica campestris L.である。

 6「万願寺とうがらし」などの果菜類は連作すると、疫病、青枯病などの土壌病害が発生しやすくなります。行っている対策を@〜Cから選んでください。

@耐病性台木を利用した接木栽培を行う。

A畑の周りに防虫ネットを張って病気を媒介する虫の侵入を防ぐ。

B株元に化学肥料を多く施す。

Cうね間に水を溜めて、根の活力を強くする。

答:@

 青枯病などの対策として耐病性台木を利用しての接木栽培を行っている。Aは防虫対策で土壌病害対策ではない。Bの化学肥料を多くしても青枯病などの対策とはならない。
 Cの水を溜めることは、根の活力を低下させる。

 7 ある京野菜は、鋭いトゲで栽培農家を悩ませ、八百屋さんの店頭でも「トゲに注意」と書かれて販売されていることがあります。この京野菜を@〜Cから選んでください。

@万願寺とうがらし  A伏見とうがらし  B賀茂なす  Cえびいも

答:B

「賀茂なす」には、葉の葉脈、果実のヘタ、幹に鋭いトゲがあり、農家を悩ませている。錦市場の八百屋さんの中には、お客さんが賀茂なすのトゲに刺されないように、「トゲに注意」と注意書きしている。

 8「えびいも」の保存方法について記述した@〜Cから、最も適切な方法を選んでください。

@ビニール袋に入れて冷蔵庫に入れる。

A湿った新聞紙にくるみ、涼しい場所に置く。

B新聞紙にくるみ屋外に置く。

C低温にも乾燥にも強いので、保存の方法に気を使う必要はない。

答:A

 低温・乾燥に弱いため、湿った新聞紙にくるみ涼しい場所で保存する。出回り時期は寒い時期であるので、屋外に置くことを避け、冷蔵庫の中にも入れない。

 9「聖護院だいこん」は、かって左京区の聖護院地区を中心に栽培され、今は久御山町、亀岡市を中心に栽培されている京都特産の丸だいこんです。「聖護院だいこん」の出回り量が最も多い月を@〜Cから選んでください。

@10月   A11月   B12月   C1月

答:B

 11月から出荷が本格化するが、出荷量の多いのは12月である。
 なお、毎年12月7日・8日に、京都市上京区の千本釈迦堂では成道会法要が営まれ、参詣者に「聖護院だいこん」の大根焚がふるまわれる。

10「聖護院だいこん」の特性と調理方法を記述した@〜Cから、最も適切なものを選んでください。

@煮くずれしやすいので、水からゆっくりゆがいた後、味付けをする。

A煮くずれしにくいが、水からゆっくりゆがいた後、味付けをする。

B煮くずれしにくにので、強火でゆがいた後、味付けをする。

C甘味が強いので、煮て食べるよりもそのまま薄く切って食べる方が美味しい。

答:A

「聖護院だいこん」は、肉質が柔らかいのに煮くずれしにくいのが特長である。ゆがく時は水からゆっくりゆがき、その後味付けをする。

11「賀茂なす」などの「なす」の色素はアントシアン系の色素で、水に溶け出してしまいます。このため「なす」を味付けする前に色止めとして行う調理を記述した @〜C から、最も適切なものを選んでください。

@炭酸液に浸してから味付けする。

A表面を焼いてから味付けする。

B熱湯で茹でてから味付けする。

C油で揚げてから味付けする。

答:C

味付けする前に油で揚げると美しく仕上がる。

12 弘法大師が東寺付近で大蛇に追いかけられ、(  )畑に隠れて難を逃れたことから、この付近では弘法大師の縁日である21日には、(   )を食べるのを遠慮するという風習が伝えられています。
(  )には、東寺付近が主産地であった京野菜の名前が入ります。この京野菜を@〜C から選んでください。

@九条ねぎ   Aみず菜    B東寺かぶ    Cくわい

答:@

「九条ねぎ」で、弘法大師が大蛇に追いかけられてねぎ畑に隠れて難を逃れたとの言い伝えがある。

13 京つけものの代表格にあげられる「千枚漬」ですが、薄く切った「聖護院かぶ」は御所の玉砂利を、横に添えられる(   )の漬物は御所の松の緑を見立て、御所の景色を表現しているとも言われています。(   )に入る京野菜を @〜C から選んでください。

@聖護院かぶの葉   Aうぐいす菜   B壬生菜   C畑菜

答:B

「千枚漬」は、慶応元年に御所の料理方である大藤藤三郎が考案されたと言われ、「かぶ」の白さは御所の玉砂利を、「壬生菜」の漬物の緑は御所の松の緑を見立てていると言われる。

14 次の文章は、京の伝統野菜の衰退の原因を記述した一部です。( )内に最もふさわしい言葉を@〜Oから選んでください。

「桃山だいこん」や「山科なす」のように、ある時代には京都の食を支えた華々しい品種も、民間種苗会社による( a )の成果により新たな品種の出現、出荷量と( b )を重視した流通の変化、品種の良さが伝わりにくい( c )流通の進展、手間のかかる煮炊きから調理の簡単な( d )志向に対応できず、主流品種の座から降りてしまった。

@交配育種   A遺伝子組み換え技術   B放射線育種   C新しい栽培方法

D出荷規格   E品揃え   F新品種   G食味

H冷凍保存   I宅配   J広域   K地場

L生食   M外食   N中食   O和食

答:a=@  b=D   c=J   d=L

 民間種苗会社による交配育種の成果により、多収性、耐病性等に優れた品種が太平洋戦争後出現し、更に大都市への人口集中に伴い、出荷量と出荷規格を重視した流通の変化、広域流通の進展、生活スタイルや嗜好の変化から生食志向が進み、こうした流通や食生活の変化の中で、京都の食を支えてきた「桃山だいこん」「山科なす」は、主流品種の座を譲り渡した。

問題15から問題39は、誤っているもの、他と異なるものを選ぶ問題です。

15「聖護院かぶ」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@天王寺かぶの一系統である。

A聖護院付近で品種が生まれた。

B千枚漬けの原料として利用されている。

C北海道や長野県でも栽培されている。

答:@

 享保年間(1716ー36年)に、左京区聖護院の篤農家が、近江国堅田地方(今の大津市堅田)から「近江かぶ」の種子を持ち帰り栽培したのが始まりとされている。「聖護院かぶ」は、「近江かぶ」の一系統で、「天王寺かぶ」の系統ではない。

16「堀川ごぼう」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@「堀川」という名前は、使われる品種の名前である。

A種をまいて育てた苗を一度掘り上げて、浅く斜めに寝かすように植え付けて栽培する。

B収穫期は晩秋から12月で、正月料理への利用が多い。

C太さは6〜10cmにもなり、「ごぼう」の中心部はスが入って空洞になっている。

答:@

「堀川ごぼう」に用いられている品種は、一般的に食べられている滝野川系の品種で、前年の秋9月に種子を播いて育てた苗を、翌年6月にいったん掘り上げて植え直し、11月から12月にかけて収穫する。
 なお、「堀川ごぼう」の起源は、豊臣秀次が居所としていた聚楽第が、秀次滅亡後に壊され、聚楽第の堀が住民の運びだした塵芥に埋められ、そこに捨てられた「ごぼう」が翌年に芽を出して、大きな「ごぼう」になり、これを見た付近の農家が生産し始めと伝えてられている。

17「鷹ケ峯とうがらし」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@京の伝統野菜である。

A15cm程になる大型で、伏見とうがらしに比べて肉厚で、辛味がない。

B青枯病にかかりやすいので、水はけのよい畑で栽培する。

C草勢が強いので、元肥を控えめにして追肥で加減する。

答:@

 昭和18年頃に品種として固定されたので、京の伝統野菜ではない。

18「紫ずきん」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@紫ずきんは、丹波黒大豆の未だ十分に成熟しきっていない時期に莢ごと収穫し、枝豆として利用しているものである。

A紫ずきんは、水稲の周りの畦に植えられて栽培されている。

B収穫する時に、豆の色は淡い緑色の地に一部ほんのり紫色がかかっている。

C紫ずきんの収穫は、9月中頃から10月末頃までである。

答:A

「紫ずきん」は、水稲の転作作物として導入されたことから、水稲が植えられるところ(本圃)に植え付けられ、水田の畦に植えて栽培されるようなことはない。
 なお、紫ずきんをはじめ未成熟の大豆(枝豆)には、熟した大豆には無い「メチオニン」が含まれ、更にアルコールの分解を促すビタミンCやB1に富んでいることから、お酒のおつまみとしては理にかなっている。

19「賀茂なす」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@賀茂なすの栽培には多量の水を必要とすることから、水利の便が良いところで栽培が進んだ。

A明治時代に入るまでは、左京区の吉田、田中地区が産地であった。

B明治時代に入ってから、産地は北区の上賀茂地区に移り、この地区の農家の努力により優良系統の種子が受け継がれてきた。

C今も、北区の上賀茂、西賀茂地区が生産の中心で、京都市中央卸売市場の入荷量の過半を占める。

答:C

 京都市内での「賀茂なす」の生産の中心は上賀茂、西賀茂地区であるが、この地区の農家は料理店、小売店、更には消費者に直接販売している。
「賀茂なす」の栽培は、亀岡市、綾部市、京丹後市等で進んでおり、京都市中央卸売市場の「賀茂なす」の入荷量で最も多いのは、亀岡市から出荷されるものである。

20「辛味だいこん」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@古くは扁平形であったが、現在はほとんど球形になっている。古くは首にちょっと青味ができるのが良いとされた。

A強い辛味があり、品質は緻密で水分が極めて少ないことから、そばの薬味として最高のものとして利用されている。

B貯蔵性に乏しいことから、年内での利用に限定される。

C長野県に「辛味だいこん」と言われる「だいこん」があるが、京都の「辛味だいこん」とは姿形は異なる。

答:B

 2月中まで薬味用だいこんとして利用される貯蔵性に優れた「だいこん」である。
 なお、京都の「辛味だいこん」は球形であるのに対し、長野県の「辛味だいこん」は球形よりも楕円形に近く、姿形は異なる。

21 野菜には、「種子で増殖する」、「植物体の一部を分割して増殖する」ものがあります。次の(1)及び(2)のグループの中に、それぞれ他と異なる方法をとるものが一つあります。 異なるものを@〜Cから選んでください

  (1)@やまのいも   Aすぐき菜   B京うど   C京みょうが

答:A

「すぐき菜」は種子を播いて増殖し、他の3つの野菜は植物体の一部を分割して増殖する。なお、種子を播いて増殖することを「種子繁殖」、植物体の一部を分割して増殖することを「栄養繁殖」と言う。

  (2)@みぶ菜   Aくわい   B鹿ヶ谷かぼちゃ   C金時にんじん

答:A

「くわい」は球根を植え付けて増殖する。栄養繁殖で、他の3つの野菜は種子を播いて増殖する。

22「やまのいも」(丹波つくねいも)について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@ 京都で生産されている「やまのいも」は、形の丸い「やまといも」(大和薯)の一種である。

A「やまのいも」は、「長いも」に比べて長い生育期間を必要とする。

B「やまのいも」は、「長いも」に比べて収量性(単位面積当たり収量)が高い。

C京都の「やまのいも」は、アクが少なく変色しにくい特徴を持っている。

答:B

 国の統計資料によると、京都の「やまのいも」(丹波つくねいも)の10アール収量は約1トンで、「長いも」の主産地である青森県の10アール収量は、2.7トンと、「長いも」のほうが2倍以上多い。

23「もぎなす」は、明治24年〜35年にかけて左京区吉田地区だけで5へクタール近く栽培されていましたが、今は、主に種子保存のために栽培されている状況です。この「もぎなす」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@ 大晦日の夜に木綿の袋に種子を入れて水に侵し、農家の主人がお正月の期間を通じて懐に入れて体温で発芽させていた。

A5月下旬に密生している葉を葉柄を残してむしり取る「葉むしり」という作業をした。

B花を多く咲かせるため、水を多めにし、湿潤状態で栽培した。

C収穫は鋏を用いず、爪でもぎとった。

答:B

水を少なめにし、乾燥状態で栽培する。「もぎなす」の名前のいわれは、果実を爪でもいで採ったことによるのではないかと言われている。なお、「もぎなす」は、慶応・明治の初年頃、それまで作っていた在来の「なす」の苗から偶然早生で、草丈の低い系統が出現したのが始まりと言われている。

24「京うど」(桃山うど)について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@栽培に適する場所は、表層が深く、排水の良いところである。

A早生種と晩生種とでは土壌の適否を異にし、早生種は軽い砂質に富んだ黒色壌土が良い。

B軟白するため、株の上に60〜100cm程稲藁をかぶせる。

C軟白するのは、アクを少なくするためでもある。

答:B

 「京うど」(桃山うど)は土をかぶせ(盛り土)て軟白する。なお、「丹波うど」(亀岡うど)は、藁で栽培用のむろ(藁葺き小屋)を作り、その中で栽培し、軟白する。

25「えびいも」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@ 種いもとして使われる品種は「唐の芋」(とうのいも)に属し、「ずいき」の栽培にも使われる品種である。

A 種いもには、200グラム程の大きくて、きれいな海老の形をしたものが必要である。

B 適地は有機物を含んだ肥沃な土で、常に適当な湿り気があることが要求される。このため、夏には畝間に水を流すことがある。

C「えびいも」の栽培では、子株を大切に育てるため、親芋から出る葉は生育状況にあわせて取り除く。

答:A

 参考テキストの「京の伝統野菜と旬野菜」では、種いもとしては100g程のものが良いと書かれているが、最近では40〜50g程度のものを使用している。これ以上の大きい芋を種いもとする場合は、分割して使用している。

26 湾曲した大型の「えびいも」を育てるために最も大事なのは土寄せの作業です。6月中旬から8月中旬にかけて通常3〜4回行いますが、この土寄せ作業について記述した @〜C から、誤っているものを選んでください。

@ 土は薄すぎると子芋は細長く、厚すぎると親芋の近くに子芋が発生して、大型のえび状となる良い子芋が発生しない。

A 6月中旬の土寄せは、親株の根元に3〜5センチの厚さに土を寄せる。

B 7月の土寄せは、親株から離れたところに発生した子株の茎が直立しないように、親株と子株の茎の間に土を入れるように寄せる。

C8月の土寄せは「大寄せ」といい、十分に土を寄せる。

答:@

土は厚すぎると子芋は細長く、薄すぎると親芋の近くに子芋が発生して、大型のえび状となる子芋が発生しない。なお、里芋類は株元を暗くすると肥大する性質があることから、親株の生長をみながら6月上旬から8月中旬に土寄せを行う。
 梅雨から土用のさなか、水分を含む重い土をすくっての作業は、生産者にとって大変な作業である。この土寄せした土の重さで子いもは湾曲し、海老の形に育っていく。

27「京せり」の苗づくりから収穫までについて記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@ 3月中旬までに苗床に植え付けて養成していた株を9月から10月に堀り上げ、それを畦などに1m位の高さに積み上げて、ムシロまたはコモをかぶせる。

A すると、葉や茎が腐って根だけが残り、腐る時の熱で再び芽が出て発根する。

B 栽培するほ場は、あらかじめ元肥を入れて水をたたえて整地し、そこへ発根した苗を9月下旬から10月下旬にかけてほ場全面に散布する。

C 冬期間は、水面に氷が張って「京せり」の茎を痛めるので、1月下旬からは水を落として、ほ場を乾かして収穫する。

答:C

「京せり」は、苗作りから収穫まで手間のかかる野菜です。収穫時期となる氷が張る冬の時期には、「京せり」が水没する位まで水を張り、水を張った状態のほ場で収穫作業を行う。

28「九条ねぎ」の伝統的な「太ねぎ栽培」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@ 秋に種子を播いて苗を作り、夏に一旦掘り上げて夏干してから晩夏に定植し、秋から冬にかけて収穫するので、1年以上の期間がかかる。

A春に苗を定植してから収穫までの生育期間を長くすることで「太ねぎ」に仕上げる。

B白い部分を長くする場合には、土寄せを多めにする。

C「太ねぎ」の収穫は晩秋から冬であるが、寒さにあうことで甘味が増す。

答:A

 伝統的な「太ねぎ栽培」は、秋に種子を播いての苗づくりから始まり、翌年の夏に一旦掘り上げて稲木にかけるなどして一ケ月間天日で乾燥させる。これが夏干しである。夏干しした苗を秋の気配が感じはじめた頃に定植する。

29 漬物だいこんの王者とも言われた「桃山だいこん」について記述した @〜C から、誤っているものを選んでください。

@ 根の形が短く、その尾端が細長く、鼠(ねずみ)のようであることから「鼠だいこん」とも言われた。

A 12月下旬から1月下旬に収穫され、卸売市場に出荷して漬物業者の手によって沢庵漬物に加工され、販売された。

B桶から出して時間がたっても色・香りが変わらないのが特徴である。

C深草・桃山にいた陸軍の兵士や伏見酒造業者の蔵人等の食を支えた。

答:A

「桃山だいこん」は卸売市場に出荷されず、農家が自分の家や取引先に出向いて沢庵漬物に加工した。昭和の終わり頃には栽培する農家もなくなったが、伏見区の農家が京都府農業総合研究所から種子を譲り受け、栽培を復活させている。

30「畑菜」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@菜種油採り用に栽培したものを、若菜として利用したものである。

Aカロチン、ビタミンA、カルシウム、鉄を含む緑黄野菜である。

B「アク」が強いので、「アク抜き」が必要な野菜である。

C煮物、炒め物、和え物、漬物と幅広く料理に利用される。

答:B

 2月の初午の日に、「畑菜の辛子和え」を食べる習わしが今も京都には残っており、アクの少ない野菜なので、辛子和えの他、煮物、炒め物、和え物、漬物と幅広く料理に利用される魅力のある野菜である。

31「鹿ヶ谷かぼちゃ」は、ひょうたんの形をしていて、上段、下段に分かれています。「鹿ヶ谷かぼちゃ」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@肉質は緻密で、西洋かぼちゃに比べて甘味が強い。

A上段は淡白な味だが、油で炒めたり、肉と炊き合わせると美味しい。

B煮物にする場合は、下段を使う。

C出汁を効かせた日本料理によく合う。

答:@

肉質は緻密であるが、「西洋かぼちゃ」に比べると甘味は乏しい。

32「京山科なす」は、できるだけ早く食べることをお勧めしますが、保存しなければならない場合の方法を記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@新聞紙でくるんで、涼しい場所に置く。

A湿らせた新聞誌にくるんで、涼しい場所に置く。

Bビニール袋に入れて、5℃以下に温度を下げた冷蔵庫に入れる。

C湿らせた新聞紙でくるんでビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れる。

答:B

「京山科なす」は低温と乾燥に弱いので、5℃以下の冷蔵庫に入れることは、保存方法としては適切ではない。

33「紫ずきん」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@ 時間の経過による品質(甘味)が落ちることがないので、保管や貯蔵を気にする必要はない。

A 時間の経過とともに品質(甘味)が落ちるので、できるだけ早く食べた方が良い。

B 生のままで短期間保存する場合は、できるだけ低温で乾燥しにくいようにして保存する。

C 長く保存したい場合は、塩水で硬めに茹でて冷ましたものをビニール袋に入れ、冷凍して保存する。

答:@

 時間の経過とともに時間品質(甘味)が低下するので、できるだけ早く食べる。
  なお、生のままで短期間保存する場合は、ビニールの袋に入れてから冷蔵庫に入れ、できるだけ低温で保存する。

34「京こかぶ」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@選ぶ時には、根(正確には「胚軸」という。34の問題について以下同じ)の部分に張りがあり、傷が無いものを選ぶ。

A根と葉のつけ根の部分がしっかりしていて、葉がピンとしているものが新鮮。

B葉をつけたままにしておくと、葉が根から水分を吸うので、葉は根とのつけ根から切り落とす。

C保存は、根と葉は切り離して別々にし、根は冷蔵庫の野菜室に、葉はゆでて水気を絞ってから密封容器に入れて冷蔵保存する。

答:B

 葉をつけていると葉が根の水分を吸収するので、買ってきたら根と葉茎を切り分ける。
 この場合、切り口から根が乾燥しないように茎を2〜3cm残すことがポイントである。

35 京野菜の料理について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@味付けは、薄味を基本とするため、出汁は薄めにする。

A味付けは、野菜の味を活かすために、出汁は濃いが味付けは薄味である。

B味付けは、出汁の旨味を大切にする。

C美味しさだけでなく、彩りにも気を使う。

答:@

 出汁は薄味ではなく、味やコクをしっかり出したものを用い、調味料での味つけは薄くする。

36 京野菜の煮物は素材の持ち味を生かすのが特徴で、出汁の味が決め手となります。
出汁について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@ 京都の水は軟水で昆布の旨味をよく引き出すことから、京都の出汁材料の主流は昆布で、一番出汁には、昆布と鰹節を使う。

A 硬水では昆布の旨味を引き出しにくいため、京野菜の持ち味を生かすには、京都の水(軟水)が必要である。

B 京都では京野菜の煮物には「淡口しょうゆ」をよく使うが、「淡口しょうゆ」は旨味成分が多いので、薄めの出汁を使う。

C 出汁は、昆布の旨味成分であるグルタミン酸と鰹節のイノシン酸の相乗効果を利用し「淡口しょうゆ」の塩味で一段と旨味と香りが引き立つ。

答:B

 淡口しょうゆは濃口しょうゆに比べて、旨味成分が少ない。

37「聖護院かぶ」など、「かぶ」について記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@「かぶ」は、「だいこん」よりも糖分が多い。

A「かぶ」は、「だいこん」よりも火のとおりが早い。

B「かぶ」は、「だいこん」よりも煮くずれしやすい。

C「かぶ」の葉は、硬くて栄養価に乏しいので料理には適さない。

答:C

 かぶの葉は柔くて栄養価に富み、煮物、炒め物によい。

38 京野菜は、出会い物といって、別の素材と一緒に炊くことで、味が引き立てあいます。@〜Cから「出会いもの」としてふさわしくないものを選んでください。

@「九条ねぎ」と「鴨肉」の炊き合わせ

A「えびいも」と「棒だら」の炊き合わせ

B「山科なす」と「身欠きにしん」の炊き合わせ

C「京たけのこ」と「たら」の炊き合わせ

答:C

「京たけのこ」は春のもの、「たら」は冬のもので、時期的に合わない。

39「京たけのこ」との出会いものとして記述した@〜Cから、誤っているものを選んでください。

@「ふき(蕗)」と「京たけのこ」     A「なまぶし(生節)」と「京たけのこ」

B「わかめ(若布)」と「京たけのこ」   C「京せり(芹)」と「京たけのこ」

答:C

「せり」は秋からのもので、季節的にも、味的にも合わない。

問題40から問題51は、正しいもの、最も適切なものを選ぶ問題です。

40 京の伝統野菜の一つである「うぐいす菜」の名前の由来について記述した @〜C から、最も適切なものを選んでください。

@野菜の形が鶯(うぐいす)に似ていることから、この名がある。

A清まし汁に入れた時の形が鶯に似ていることから、この名がある。

B葉がパステルカラーの緑色であることから、この名がある。

C鶯の鳴く頃に収穫されることから、この名がある。

答:C

 早春の野菜で、鶯の鳴く頃に収穫されることから、この名がある。

41 佃煮にすると美味しい、実の収穫が終わった「とうがらしの葉」の呼び名を @〜C から選んでください。

@からしば   Aきごしょう  Bのこりば   Cからしょう

答:A

「とうがらしの葉」を「きごしょう」と言って、佃煮にしたり、ジャコと一緒に炒め煮にする。全国的にも「とうがらしの葉」をこのように利用するのは珍しいようである。

42 子孫繁栄を願う縁起物としておせち料理に欠かせないもの「くわい」について記述した@〜Cから、最も適切なものを選んでください。

@京都で盛んに栽培されるようになったのは、江戸時代になってからである。

A「くわい」の品種には、「青くわい」、「白くわい」、「吹田くわい」が挙げられるが、京都で栽培されているのは、「白くわい」である。

B「くわい」は、寒い時期の収穫作業の他に、追肥、葉かき、根回しなど時期に応じた作業がある。

C現在の主産地は埼玉県で、ここで栽培されている主要品種は、京都の「くわい」とは別のものである。

答:B

 天正年間、豊臣秀吉が御土居(土べい)を築くために土を取った跡地が湿地となり、そこに朝鮮から輸入されていた「くわい」の球根を植えたのが京都での「くわい栽培」の始まりと言われている。
「くわい」の品種、系統には、色と大きさが異なる「青くわい」、「白くわい」、「吹田くわい」(豆くわい)が挙げられるが、京都で栽培されているのは「青くわい」である。現在の主産地は、埼玉県で、ここで用いられている主要品種は、京都から行ったものである。
 なお、「くわい」は、冬の収穫作業以外に、追肥、葉かき、根回し、サビ落としと称する茎葉刈りなど、時期に応じた作業が必要である。

43「万願寺とうがらし」は、別名「万願寺甘とう」とも言われますが、まれに辛味(からみ)のものがあります。この辛味について記述した@〜Cから、最も適切なものを選んでください。

@辛味は、アントシアンという色素によって引き起こされる。

A辛味は、果実が赤く着色してから発生する。

B辛味成分は、果実の先端部分よりもヘタの付近に多い。

C辛味のある果実が生じる株では、全ての果実が辛くなる。

答:B

「とうがらし」の辛味成分はカプサイシンで、このカプサイシンは、種子が多くついている部分(胎座という)に多い。この胎座は万願寺とうがらしでは、果実の先端部分よりも果実のヘタの部分に多いことから、辛味成分も先端部分よりもヘタの付近の方が多い。

44「花菜」(ハナナ)と他府県産の「菜の花」(ナノハナ)、「菜花」(ナバナ)について記述した@〜Cから、最も適切なものを選んでください。

@「花菜」と「菜の花」、「菜花」は同じもので、産地によって呼び方が異なるだけである。

A「花菜」、「菜の花」、「菜花」、ともに、平安時代から栽培されてきた在来ナタネに属する。

B「花菜」は切り花用に利用されていた在来ナタネに属するのに対して、「菜の花」、「菜花」は、専ら菜種油をとる西洋ナタネに属するものが多い。

C 「花菜」は、別名「伏見寒咲なたね」といわれるように伏見桃山で栽培され、その後北白川で栽培されるようになった。

答:B

 京都の「花菜」は切り花用のナタネを食用にした在来のナタネであるのに対し、「菜の花」、「菜花」等は、専ら菜種油をとることが目的の西洋種系のナタネが多い。
 なお、明治時代の初め頃から北白川で栽培されはじめ、明治時代の後半に伏見桃山で栽培がみられたそうである。

45 現在は、種を直接畑にまくことが多いのですが、「苗を作って植えることも行われている野菜」を、@〜Cから選んでください。

@聖護院だいこん   A金時にんじん   Bみず菜   Cうぐいす菜

答:B

 みず菜の栽培は、多くは種を直接播く栽培方法をとられているが、大株に仕立てるために、また最近ではビニールハウスでの栽培の回転効率を上げたり、冬季の抽台(とうだち)を防止するため、育苗したものを定植する方法も行われている。

46「金時にんじん」の大敵は、緑の地にオレンジの斑紋の黒い帯がある芋虫です。
生育途上にこの芋虫に葉が食われると大きな打撃を受けます。この芋虫の成虫を @〜C から選んでください。

@キアゲハ  Aモンシロチョウ  Bオオムラサキ  Cオオスカシバ

答:@

 キアゲハの幼虫は、にんじん・パセリなど、セリ科の植物を好み、モンシロチョウの幼虫はアブラナ科、特にキャベツを好む。オオムラサキの幼虫はエノキの葉、オオスカシバの幼虫はクチナシの葉を好む。

47 平成2年、当時の京都府衛生公害研究所(現在の京都府保健環境研究所)が、京の伝統野菜の栄養成分分析を行ったところ、一般的な同種の野菜と比較して、ビタミンC、ミネラル、食物繊維等に富んでいるものが多いことが分かりました。一般的な同種の野菜に比べて、ミネラル、特にカリウムに富んでいる京野菜を @〜C から選んでください。

@みず菜   A九条ねぎ  B堀川ごぼう  C聖護院だいこん

答:B

 当時の京都府衛生公害研究所(現在の京都府保健環境研究所)が、分析した結果によると可食部100g当たりのカリウム含有量は、「堀川ごぼう」は654mgで、四訂日本食品標準表に表記されている一般のごぼうの値の約2倍となっている。
 なお、「みず菜」は419mg(小松菜(四訂)とほぼ同じ)、「九条ねぎ」は335mg(葉ねぎ(四訂)の1.7倍)、「聖護院だいこん」は378mg(だいこん(四訂)の1.6倍)と報告されている。

48 滝沢馬琴は著書「羇旅漫録」の中で、京のよきものとして、寺社、女子、鴨川の水を挙げ、食で好むものとして、「麩」、「湯葉」、「うどん」、「芋」の他に、ある京野菜を挙げています。この京野菜を @〜C から選んでください。

@みず菜   A九条ねぎ   B賀茂なす   Cすぐき菜

答:@

 滝沢馬琴は「羇旅漫録」の中で、京都のことをさんざんけなしている。その中にあって、味の良いものとして、麩、湯葉、うどん、芋、みず菜を挙げている。さすがの滝沢馬琴も、みず菜をけなすことができなかった。

49 この人物は、京都錦小路の青果物問屋に生まれた江戸時代の絵師で、有名な作品の一つに「果蔬涅槃図」があります。この涅槃図には、人物が描かれておらず、全て野菜や山野草で描かれています。この人物を@〜Cから選んでください。

@俵屋宗達   A伊藤若冲   B尾形光琳   C狩野探幽

答:A

 伊藤若冲 (いとうじゃくちゅう)で、1716年に錦市場にあった青果物問屋「枡源」の長男として生まれ、四代目の当主であったが、39歳で家業を弟に譲って自らは絵画に専念した。京野菜検定の参考図書である「京の伝統野菜と旬野菜」(高嶋四郎編著、トンボ出版)の扉にこの涅槃図が画家名ともに紹介されている。

50 次の(1)、(2)は、京都で優れた野菜が育った理由を述べた文章の一部です。
( )内に最もふさわしい言葉を @〜S から選んでください。

(1) 平安京以来、1000年の都であった京都は、海から遠いため蛋白源の食材は(a)が中心でした。このため、おいしい野菜の生産ともに、野菜をおいしく食べるための料理が工夫されたのです。
幸い、京都の気候や土質は野菜栽培に適しています。賀茂川、(b)、桂川、の三川が上流から生育に適した土壌や地下水を運び、町の塵埃や(c)の農地への施用により農地は肥沃になりました。

@川魚      A一塩ものや干物  B猪や鹿    C小麦

D高野川     E高瀬川      F堀川     G木津川

H落ち葉     I残飯       J廃材     K糞尿

答:a=A  b=D  c=K

 京都は海から遠いため、蛋白源の食材としては、川魚もあったが若狭から入ってくる一塩ものや干物が中心であった。賀茂川や桂川、高野川の三川が上流から生育に適した土壌や地下水を運び、町中から大八車につんで帰った糞尿は、農地を肥沃にした。

(2) 江戸時代には、(d)と油障子の保温により(e)の早出し栽培を開発するなど、古くから京都の農家は高い栽培技術を持ち備えていました。

     Lわら堆肥の発酵熱        M暖かい地下水

     N風呂の残り湯          O火で暖めた煉瓦

     P春野菜の花菜(寒咲きなたね)  Q夏野菜のなす・きゅうり

     R冬野菜のみず菜・壬生菜     S冬野菜のえびいも

答:d=L  e=Q

 江戸時代の天保年間かそれ以前に、苗床の下にわらを敷き入れて発酵熱を使用することが考えられ、その後、更に、保温効果を高めるために油障子を温床に利用されるようになり、夏野菜である「なす」、「きゅうり」の早出し栽培の技術が開発された。

51 京のふるさと産品協会では、京都産の京野菜を使った料理を提供いただけるお店200店余りを(  )として認定しています。(   )に入る言葉を @〜C から選んでください。

@旬の京料理提供店      A旬の京野菜提供店

Bほんまもん京料理提供店   Cほんまもん京野菜提供店

答:A

「旬の京野菜提供店」として認定している。なお、京のふるさと産品協会では、京野菜コーナーを設けるなど、京野菜を積極的に扱っている販売店を「ほんまもん京野菜提供店」として認定している。

 

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